DR-05/DR-07シリーズを使ったアナログ音源のデジタル化 その2(録音編)

 ■録音編

さて、前回はDR-05/07mkIIの録音のための初期設定を行いましたが、いよいよDR-05を使って実際に録音してみたいと思います。

今回は昔FM放送をエアーチェック(死語?)した貴重なテープの録音を行います。


録音済みテープは46分テープ、昔のLPレコードは最近のCDのアルバムより収録時間が短く、ほとんどのレコードが片面20分前後(4分前後の曲が5曲で20分)だったため、アルバムの録音用に一番重宝したテープです。

1980年代に入ると、少しずつ楽曲の時間が長くなり、46分では収まらないため、50分や54分テープなども登場しました。

実際今回の録音は、テープの記録時間は40分くらいなのでCD一枚に十分収まるものです。 

ちなみに、この写真のテープは40年ほど前のものでTDKの最上位メタルテープ「MA-R」ですが、テープ1本で1,200円~1,500円前後したと記憶しています。 LPレコードの半額くらいの価格です。

アルバイトしていたとはいえ学生だった自分にはかなりの高級品でした。


0.接続について


接続は

  テープデッキ → アンプ → アンプのイヤホン端子 → DR-05

となっています。

テープデッキにボリュームコントロール可能なヘッドホン端子がある場合、もちろんそこからダイレクトに接続しても問題はありません。

本来ならカセットデッキの出力かアンプのRECアウト端子と接続した方が音質的には優れているはずですが、DR-05/DR-07mkIIの本体TOPにある入力端子はマイク端子と外部入力兼用のため、ライン出力をそのまま入れるとDR-05/DR-07mkIIのRECレベルを一番絞っても入力レベルオーバーで調整しきれない(通常ライン出力は固定で調整出来ない)ため、ボリュームでコントロール可能なイヤホン端子の出力を使用しています。

ただ、この接続の場合どうしてもアンプ内蔵ヘッドホンアンプの音質に左右されるため、アンプにプリアウト端子があれば、そちらと接続することでヘッドホンアンプを通さずボリュームで出力をコントロール可能となるため、より高音質に録音出来る可能性が有ります。

もし複数テープのデジタル化をお考えで上記のようなケーブルがお手元に無い場合、JVC CN-202A等画像のような抵抗入りのケーブルを用意すれば、通常のRECアウト出力やカセットデッキの出力端子とダイレクトに接続して録音が可能になるので便利です。

ただし、今回は極力安くもしくは手元にあるパーツを流用して録音を行うため、このままイヤホン端子の出力で録音したいと思います。

イヤホン端子であればラジカセにも装備されているので汎用性は高いでしょう。


1.録音レベルの設定 ※ここ重要です

DR-05/DR-07mkIIの場合、録音(REC)ボタンを一度押すと「録音待機状態」になり、入力に対してレベルメーターが動くようになります。

今回は暗騒音(ボリュームに関係なく出る一定の騒音)が比較的大きめだったため、アンプ側のボリュームを極力高めにしてDR-05/DR-07mkIIの入力レベルを低めに設定したほうが全体としてのノイズを抑えた(S/N比を稼いだ)録音が可能です。

このあたりは自分の使用機器に合わせて適宜調整してください。

設定編でピーク検出をONにしているので、レベルオーバーになっても大きく歪むことはありませんが、やはり違和感のある音になってしまうため、ここでのレベル調整が大切になってきます。

下の左の画像だと、レベルメーターの振れが半分を超えない状態だと低すぎで、右の画像はディスプレイ上のピークメーターが点灯しているため、レベルオーバー状態となります。

理想的な状態は真ん中の画像のように、レベルメーター内の下向き三角マークを目安に、ピーク時にこれを少し超えるくらいの状態に設定していただければ問題は無いかと思います。

万が一録音途中に頻繁にレベルオーバーになってしまう場合、一度録音を止めて録音レベルを再調整し、最初から録音をし直してもいいかもしれません。

その分時間はかかってしまいますが、片面たかだか20分くらいのものですので、その辺は臨機応変に対応しましょう。


2.録音のスタート

DR-05/DR-07mkIIの録音スタートは、録音待機(録音中/RECインジケーターが点滅)状態で、録音(REC)ボタンをもう一度押すだけです。


後で編集をしない場合はテープの頭出しをして録音スタートのタイミングを図る必要がありますが、今回は後でパソコンを使って編集を行うので頭出しは適当で、テープの再生スタートと同時に録音をスタートして問題はないでしょう。

また、一般的にイヤホン端子に接続するとコンポのスピーカーから音を聞くことが出来ないので、DR-05/DR-07mkIIのサイドにあるイヤホン端子にイヤホンやヘッドホンを接続してモニターしましょう。

テープにはA面とB面がありますので、片面の録音が終了したら一度録音をストップして、再度B面の録音を行います。

後で編集を行うので、オートリバースデッキの場合そのままA面→B面まで一気に録音してしまって問題はありません。

あとはテープの最後まで録音して終了となります。


録音に際しては、出来れば新品の電池を用意するかACアダプタやUSB給電を行うと、電池切れの心配がなく安心です。

今回の録音は約40分なので、CD一枚分の半分の350MB位の容量になります。

オートリバースで無音部分も含めた46分フルに録音しても400MB位の容量です。

1分あたり約9MB弱(正確には8.75MB)と覚えておくとそれに時間をかければおおよその必要容量の計算が可能です。



<録音編集アプリについて>

次にパソコンを使った編集作業に必要なアプリケーションの紹介をし
ます。


今回紹介するアプリケーションは、タスカムが無償で提供している「TASCAM Hi-Res Editor(タスカムハイレゾエディター)」と言うアプリケーションです。

このアプリケーションは、ファイルの分割や合体、PCM→DSDやDSD→PCM変換など、無償ながら今回のようなアナログファイルのデジタル化にはぴったりなアプリです。

また、PCMファイルからDSDファイルへの変換や、DSDファイルの直接編集機能など、無償のアプリケーションながらいろいろ使えるアプリケーションです。

アプリケーションの詳細およびダウンロードは以下のページをご確認ください。

Windows版とMac OS版も用意されていて、どちらも無償でダウンロード&使用が可能です。

https://tascam.jp/jp/product/hi-res_editor/top

なお、TASCAM Hi-Res Editorには、音量調整のノーマライズやマキシマイズ等の機能は搭載していないため、前項の録音レベル調整が非常に重要になってきます。

もし、音量関係の調整等も行いたいと考えているなら、以下のページなどから使用目的に合った他のアプリケーションを検討してください。


■窓の杜「サウンド編集」ページ

https://forest.watch.impress.co.jp/library/nav/genre/pic/music_soundedit.html


次回は TASCAM Hi-Res Editor を使った録音ファイルの編集方法と、CD化の方法をご案内します。

 →その3(編集&CD作成編)につづく

 →その1(準備編)はこちら

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