TASCAM Hands-On! 動画音声ケーススタディ ~トークイベント収録でのXLRマイクアダプターの有用性とマイキングについて~

お持ちのカメラなどと組み合わせてTASCAMの動画音声機材を気軽に試せるイベント「TASCAM Hands-On!」。
 
6月に開催しましたTASCAM Hands-On!にお越しいただいたTASCAM製品ユーザーのお客様より、具体的な実例にもとづいた、収録現場でのTASCAM製品の使用方法についてご相談をいただきましたので、皆様にもご紹介いたします。

 


 

ご使用状況とお悩み

ご来社されたお客様は、某メーカーのショールームで行われているトークイベントを配信・収録する業務を行われており、複数のカメラとビデオスイッチャー、ピンマイクやハンドマイク等を併用しつつ、話者の立つ壇上全体を撮る固定カメラの上にTASCAMXLRマイクアダプター『CA-XLR2d』をマウントし音声収録に使用されているとのことでした。


   TASCAM CA-XLR2dの製品ページはこちら

 

CA-XLR2dは、キヤノン株式会社、富士フイルム株式会社、株式会社ニコン各社と共同開発した、ミラーレスカメラ対応のXLRマイクアダプターです。

プロユースのマイクで収音した音声をカメラの動画ファイルに直接記録することが出来ます。

今回のお客様の使用例では以下のイメージ図のようなセッティングでした。

 


話者に装着したピンマイクやハンドマイクでの機材トラブル、録音漏れがあった場合に備えたバックアップ音声の収録のため、CA-XLR2dを客席後方の固定カメラの上にマウントし、ショットガンマイクを接続して壇上の音声を狙うという形でした。

手持ちのカメラにマイクをマウントすると機動力は得られますが、ハンドリングノイズやカメラのズームなどのノイズを拾ってしまうことから、本番中に触ることの少ない固定カメラの上にマウントされているとのこと。

CA-XLR2dを使えばマイクからの音声を動画ファイルに直接記録することができ、編集時にベースとなる固定カメラの映像に後で音合わせをする作業も不要ですので、なるほど押さえの音声データとしてはもってこいです。

ただしこのとき、固定カメラから離れた場所にある壇上の話者の声をとらえようとすると空調などの環境ノイズが多く入ってしまうので、環境音に対して声をより鮮明に捉えるにはどうすればよいかというのが、目下のお悩みとのことでした。

 

マイキングによる対策

ここで、CA-XLR2dの運用の柔軟性が真価を発揮します。CA-XLR2dと長尺ケーブルやマイクスタンド等を使えば、カメラの設置場所にとらわれず、好きな場所にマイクを置いてその音声をカメラの動画ファイルへ記録することができます。

使用するマイクの指向性によっても程度は異なりますが、マイクは話者(音源)からの距離が離れるほどに、周りの環境音も拾ってしまい、結果として話者の声が環境音に埋もれて聞き取りにくくなります。

超単一指向性のショットガンマイクといえども、声のクリアな収音のためには話者(音源)に近づくほど有利です。



上図のイメージのように、今回ご相談いただいたお客様にはマイクスタンドなどを利用して、カメラへの映り込みなど都合の許す範囲で、できるだけ話者に近い場所にマイクを設置し、長尺のマイクケーブルを使ってのCA-XLR2dへの入力のお試しをご提案しました。

ここではショットガンマイクはカメラへの映り込みを抑えるため、ブームマイクスタンドを使用し話者の斜め前の上方から狙います。

 

このようにマイクを話者に近づけて収録をすれば声の明瞭度は格段に上がります。

屋外や空調など環境音が多い場合、またピンマイクなどが使えない状況でも、使うマイクやマイキングの工夫によって音声を改善することが出来ます。

CA-XLR2dを使って、ぜひ色々なマイクやマイキングをお試しください。

 

 

<参考動画>

話者から3mほど離れたカメラ上にマウントしたオフマイク状態と、マイクを話者から1mほどの距離に近づけたオンマイク状態のそれぞれで録った音声を比較した音声サンプルです。

マイクの距離によって、声の聴こえ方、環境音とのバランスに違いが出ているのがお分かりいただけると思いますので是非ご視聴ください。

 


TASCAM Hands-On! は今年度は月例で開催の予定です。動画クリエイターの皆様の音声のあれこれの問題解決をお手伝いしていきたいと思いますので、ぜひ、ご参加ください。

イベント開催についてホームページ、SNS、メルマガなどでご案内しております。







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