長期間の調査に使えるか試したい。
現在、I氏は鳥類の環境調査においてDR-05Xを使っていて、電池は使わずUSBバッテリー注)から給電して4日程度使っているとのこと。このことは後述されているが、猛禽類の調査は3日間が1セットとなることが理由のようだ。
注)当社ではUSBバッテリーで動作検証はできていませんのでご注意ください。
DR-05Xの音質は十分で、ラインセンサス法など手持ちで録音する調査では十分活躍しているとのこと。しかし、DR-05Xは長期間の設置録音調査ができないことでVR-04を使ってみたいというのが、応募のきっかけとなった。
タイマー設定は朝方3時間(2時~5時)、夕方3時間(18時~21時)の調査や、夜間の9時間、日中の7時間など種別と依頼内容、季節などによっても変えるとのこと。
長時間のデータ解析は独自のスペクトログラムで行い、野鳥の鳴き声の解析に適したレベルになるようにプログラムをしてあるとのこと。350Hz~1,000Hz程度が収まれば今のところ問題ないらしい。
(テストの結果)
VR-04は音質は十分であるが、長期間に使える適した外部電源が見つからず、本体の電源範囲内で行える短期間の調査では使用できるとの結論となった。詳細は以下のI氏のレポートご参照ください。
VR-04 使用報告書(令和6年10月11日)
■使用状況■
手製のハウジングに梱包し、外付けマイク(ソニー ラベリアマイクロホン ECM-LV1)のみ外に引き出し、山中に設置した。
設置個所①:愛知県 4月末 HQ 毎日4時間
設置個所②:神奈川県 5月上旬 HQ 毎日4時間
■鳥類調査での利用予定(猛禽類の営巣林設置)■
猛禽類の定点調査は基本的に3日間1セットなので、定点調査期間中に巣のある林に設置し、音声を補足的に記録する際などは、とても便利であると予想された。一般鳥等の手持ち録音については上位機種にあたるDR-05Xの方が適していると考えられた。長期の定点録音については、バッテリーの拡張方法が確立されれば適していると考えられた。
■気が付いた点■
(音質)必要十分以上の音質が得られていた。
(マイクの感度設定について)基本的に「高」でよいと思われたが、AIを併用した調査ではオート機能があるとよいと思われた。まだ検証中だが、ソナグラムを作成した際、感度がオートの方がAIによるバックグラウンドのノイズと音声声紋の分離が容易である(はっきりした音声が採れている場合、オートは絞りによりノイズが足切りされている)。
例:オリンパス社DM750の場合の感度オートと感度高のサシバ声紋
(マイクについて)ジップロックに挿入し、内臓のマイクを使用して録音すると、可聴範囲が狭まると考えている。調査では本体水没を避けるため、ハウジング+外付けマイクが必須となる。以上から、本体のマイクに性能を求めておらず、その部分を省き、専用の防水パッケージと外付けマイクがあると調査に最適だと考えている。
(単体の持続時間)HQ×4時間×毎日(4月末)で4日間録音でき、使い勝手が良い。
(電源拡張)長期利用を目的としたモバイルバッテリーとの併用は動作しなかった。
スリープ時にモバイルバッテリー側がオートパワーオフしてしまうため、充電しながらの録音は出来ないことが判明した。以下、試したバッテリーとなる。
①モバイルバッテリー 40000mAh大容量 ブランド: Binli
②【2024業界初登場&急速充電】モバイルバッテリー 40000mAh大容量 ブランド: Qiupale
対策案として、単一電池等をUSB接続するなどすればよいかもしれないが、直付けは本体内蔵のバッテリーパックの過充電が怖いため、一工夫必要と考えられる。また、内部バッテリーではなく、単四電池だと作業が簡単である。例えば、他社製品のオリンパスDM-750だと、初期仕様が単四電池1本であるため、コード付きダミー電池で単一電池への拡張が容易である。その際、マイクロSDの容量(32G上限)が次のボトルネックとなる(mp3、128kbps、8時間の設定で、2ヶ月強でメモリフルになる)ため、より上位の規格が可能となるとなおよい。
---(引用おわり)--------------------------
現状でVR-04がどの程度使えるのかを確認していただき。さらに、問題点の洗い出し、今後期待することなどの意見をいただけた。本件に感謝するとともに、引き続き商品化に向けて努力していきたいと思う。
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