2024年12月8日(日)、輸入ピアノ.com様にて、ピアニスト大崎由貴さんをお迎えし、 『ティアック Presents タスカムピアノコンサート録音会 vol.2』を開催しました。
昨年に続く2回目の開催となり、今回も多くの方にご参加いただきました。
大崎さん、輸入ピアノ.com様、そしてご来場いただいた皆様に心より感謝申し上げます。(以下敬称略)
録音会の雰囲気と進化ポイント
前回の録音会は大変好評でしたが、スペースの関係でやや窮屈との声もありました。 そこで今回は定員を減らし、2部構成にすることで、より快適な環境を実現。さらに、据え置き型録音機の持ち込みにも対応しました。
さらに、HS-P82やラックマウントのDA-3000 といったプロユース機材も並び、「ここはスタジオか?」と思うほどの光景でした。
1970~80年代の生録文化を知る方から、最新デジタル機材を駆使する方まで、世代を超えた“録音愛”が交差する場となりました。
お客様同士で機材談義に花を咲かせたり、マイクセッティングにこだわったりと、「録音を楽しむ」空気が会場全体に広がります。
そしてコンサート終了後には、「自分の録音、聴いてみます?」と音源を聴き比べる交流タイムも自然発生。
録音という共通の趣味が、人と人をつなぐ瞬間でした。
我々の録音機材とセッティング
使用機材
録音機 TASCAM Portacapture X8、マイク DPA 4006A、DPA 2011C
ケーブル KLOTZ MC5000
Portacapture X8はマニュアルモードで6トラックをフルに活用し、内蔵マイク、DPA 4006A、DPA 2011Cに2トラックずつを割り当てました。
クラシックの演奏会などでは、響きを録音するため、ホールなどの天吊りマイクの音を分けてもらうことが多いのですが、今回はその天吊りマイクに見立て、会場の後方からDPA 2011Cを高い位置に設置して響きを狙うこととしました。芯になるメインはDPA
4006AとTASCAM Portacapture X8の内蔵マイクで狙います。
Portacapture X8は別売のアダプターAK-BT1を追加すれば、スマホからのリモート制御も可能。ひとたび演奏が始まるとステージに上がることはできませんので、このような現場では大変重宝します。
Portacapture X8の製品情報はこちら
https://tascam.jp/jp/product/portacapture_x8/top
もう一人の主役:シュタイングレーバー&ゼーネ C-212
録音会のもう一人の主役である今回のピアノは シュタイングレーバー&ゼーネC-212 Chamber Concert Grandです。
普段なかなか聴けない銘器の音色を間近で体験できるのは、 輸入ピアノ.comならではの魅力です。
ショールームには多数のピアノが展示され、レッスンやミニコンサートも開催されています。
スタッフの皆さんもとてもフレンドリーで、音楽好き、ピアノ好きにはたまらない空間です。ぜひ、足を運んでみてください。
https://www.imported-piano.com/index.html
今回の選曲
録音を目的としたコンサートという特性上、事前の打ち合わせでは「テンポや音響特性に幅を持たせた選曲をお願いしたい」と大崎さんにご相談しました。
録音マニアにとって、音の立ち上がりや余韻、ダイナミクスの違いを捉えるには、曲のテンポや時代背景のバリエーションが欠かせません。
その意図を汲み取ってくださった大崎さんは、バロックから近代まで、緩急に富んだ6曲をセレクト。
録音素材としても、音楽鑑賞としても、非常に豊かなプログラムとなりました。
バッハ :
フランス組曲第5番ト長調 BWV816 アルマンド
ラヴェル
: 水の戯れ
シベリウス
: もみの木
ショパン
: 舟歌
ドビュッシー : 月の光
ドビュッシー : 喜びの島
来場者はヘッドホンを装着して音の細部に耳を澄ませたり、時には外して生音の響きを肌で感じたりと、音楽との距離を自在に行き来していました。
そのタッチはまるで光を纏ったように透明で、音の一粒一粒が空間に溶け込んでいくようでした。豊かな表現力が曲の情景を鮮やかに描き出し、会場全体が息を呑む瞬間が幾度となく訪れました。
参加されたお客様からのご意見
40年ぶりの生録音体験でしたが、スタッフの配慮が行き届いていて安心して録音に集中できました。オープンリール参加者への対応も素晴らしかったです。
好きな曲ばかりの演奏会で、録音よりも演奏そのものを楽しみました。DR-05で録音した音源は今でも聴き返しており、会場の空気感まで蘇ります。
STEINGRAEBERのピアノの音色に感動。50年前のアナログ録音機と最新機材の音の違いを体験でき、録音の奥深さを実感しました。
録音機材の選定やセッティングを通じて、自分の録音環境のベンチマークになりました。演奏者との交流もあり、アットホームな雰囲気が印象的でした。
録音した音源を何度も聴き返すことで、演奏の細部やピアノの響きの違いを感じ取れるようになりました。録音は学びと感動の宝庫です。
1970~80年代にカセットやオープンデッキで録音を楽しんだ方には、あの頃のワクワク感が蘇るイベントだったのではないでしょうか。
大崎 由貴さんプロフィール
広島市出身。
第18回東京音楽コンクールピアノ部門第2位(最高位)。 ピアニストのイーヴォ・ポゴレリチ氏が審査員長を務める第4回マンハッタン国際音楽コンクールにて、特別金賞を受賞。
ソリストとして、東響、東フィル、新日本フィル、群響、大響、広響と共演を重ねる。
広島大学附属高等学校卒業。東京藝術大学音楽学部をアカンサス音楽賞、藝大クラヴィーア賞、同声会賞を受賞し卒業。
令和2年度文化庁新進芸術家海外研修員として、ザルツブルク・モーツァルテウム大学修士課程を満場一致の最高点で首席卒業後、同大学ポストグラデュエート課程修了。
現在、東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、愛知県立芸術大学ピアノコースにて非常勤講師を務める。
Official website: https://www.yukiosakipianist.com
大崎
由貴さんSNS
Instagram: https://www.instagram.com/yukiosaki_/
X(Twitter): https://twitter.com/piyoyuki_
【次回開催のリーク情報!】
ここだけの話ですが…
タスカムピアノコンサート録音会 vol.3 は、2025年12月6日(土)開催予定!
詳細は後日発表しますので、ぜひスケジュールを空けておいてください。
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