【次回予告あり】TASCAMピアノ録音会vol.2レポート|大崎由貴の演奏と録音機材の祭典 ~ティアックレコーディングクラブ活動報告~





2024128日(日)、輸入ピアノ.com様にて、ピアニスト大崎由貴さんをお迎えし、 『ティアック Presents タスカムピアノコンサート録音会 vol.2』を開催しました。 

昨年に続く2回目の開催となり、今回も多くの方にご参加いただきました。 

大崎さん、輸入ピアノ.com様、そしてご来場いただいた皆様に心より感謝申し上げます。(以下敬称略)

 

 (録音会開始前の様子)

 

録音会の雰囲気と進化ポイント

 前回の録音会は大変好評でしたが、スペースの関係でやや窮屈との声もありました。 そこで今回は定員を減らし、2部構成にすることで、より快適な環境を実現。さらに、据え置き型録音機の持ち込みにも対応しました。

 実は昨年から「電源は使えますか?」というお問い合わせを多くいただいていました。 今回は急遽、電源分配器を用意し、オープンデッキや大型機材の持ち込みを可能に。 結果、会場はまるで 小さなオーディオ博物館のような雰囲気に!。後方テーブルには TASCAMのオープンデッキ はもちろん、NAGRAの名機まで登場。 

さらに、HS-P82やラックマウントのDA-3000 といったプロユース機材も並び、「ここはスタジオか?」と思うほどの光景でした。 

 もちろん、TASCAMハンディレコーダーのフラグシップモデル『Portacaptureシリーズ』や『DRシリーズ』を持参された参加者も多数いらっしゃいました。

197080年代の生録文化を知る方から、最新デジタル機材を駆使する方まで、世代を超えた録音愛が交差する場となりました。 

お客様同士で機材談義に花を咲かせたり、マイクセッティングにこだわったりと、「録音を楽しむ」空気が会場全体に広がります。 

そしてコンサート終了後には、「自分の録音、聴いてみます?」と音源を聴き比べる交流タイムも自然発生。 録音という共通の趣味が、人と人をつなぐ瞬間でした。

 






我々の録音機材とセッティング 




 

 

使用機材 

録音機 TASCAM Portacapture X8、マイク DPA 4006ADPA 2011C

ケーブル KLOTZ MC5000

Portacapture X8はマニュアルモードで6トラックをフルに活用し、内蔵マイク、DPA 4006ADPA 2011C2トラックずつを割り当てました。

クラシックの演奏会などでは、響きを録音するため、ホールなどの天吊りマイクの音を分けてもらうことが多いのですが、今回はその天吊りマイクに見立て、会場の後方からDPA 2011Cを高い位置に設置して響きを狙うこととしました。芯になるメインはDPA 4006ATASCAM Portacapture X8の内蔵マイクで狙います。

Portacapture X8は別売のアダプターAK-BT1を追加すれば、スマホからのリモート制御も可能。ひとたび演奏が始まるとステージに上がることはできませんので、このような現場では大変重宝します。 

Portacapture X8の製品情報はこちら

https://tascam.jp/jp/product/portacapture_x8/top


 

もう一人の主役:シュタイングレーバー&ゼーネ C-212

録音会のもう一人の主役である今回のピアノは シュタイングレーバー&ゼーネC-212 Chamber Concert Grandです。

普段なかなか聴けない銘器の音色を間近で体験できるのは、  輸入ピアノ.comならではの魅力です。 

ショールームには多数のピアノが展示され、レッスンやミニコンサートも開催されています。 スタッフの皆さんもとてもフレンドリーで、音楽好き、ピアノ好きにはたまらない空間です。ぜひ、足を運んでみてください。

 輸入ピアノ.comの詳しい情報はこちら

https://www.imported-piano.com/index.html

 

今回の選曲

録音を目的としたコンサートという特性上、事前の打ち合わせでは「テンポや音響特性に幅を持たせた選曲をお願いしたい」と大崎さんにご相談しました。

録音マニアにとって、音の立ち上がりや余韻、ダイナミクスの違いを捉えるには、曲のテンポや時代背景のバリエーションが欠かせません。

その意図を汲み取ってくださった大崎さんは、バロックから近代まで、緩急に富んだ6曲をセレクト。

録音素材としても、音楽鑑賞としても、非常に豊かなプログラムとなりました。

バッハ : フランス組曲第5番ト長調 BWV816 アルマンド

ラヴェル : 水の戯れ

シベリウス : もみの木

ショパン : 舟歌

ドビュッシー : 月の光

ドビュッシー : 喜びの島

 

来場者はヘッドホンを装着して音の細部に耳を澄ませたり、時には外して生音の響きを肌で感じたりと、音楽との距離を自在に行き来していました。

 そして何よりも印象的だったのは、大崎由貴さんの演奏。

そのタッチはまるで光を纏ったように透明で、音の一粒一粒が空間に溶け込んでいくようでした。豊かな表現力が曲の情景を鮮やかに描き出し、会場全体が息を呑む瞬間が幾度となく訪れました。

 録音に集中するはずの場で、ふと機材の存在を忘れてしまうほど、演奏そのものに心を奪われた参加者も少なくありませんでした。

 

参加されたお客様からのご意見

40年ぶりの生録音体験でしたが、スタッフの配慮が行き届いていて安心して録音に集中できました。オープンリール参加者への対応も素晴らしかったです。

好きな曲ばかりの演奏会で、録音よりも演奏そのものを楽しみました。DR-05で録音した音源は今でも聴き返しており、会場の空気感まで蘇ります。

STEINGRAEBERのピアノの音色に感動。50年前のアナログ録音機と最新機材の音の違いを体験でき、録音の奥深さを実感しました。

録音機材の選定やセッティングを通じて、自分の録音環境のベンチマークになりました。演奏者との交流もあり、アットホームな雰囲気が印象的でした。

録音した音源を何度も聴き返すことで、演奏の細部やピアノの響きの違いを感じ取れるようになりました。録音は学びと感動の宝庫です。

 

197080年代にカセットやオープンデッキで録音を楽しんだ方には、あの頃のワクワク感が蘇るイベントだったのではないでしょうか。

 

大崎 由貴さんプロフィール

広島市出身。
18回東京音楽コンクールピアノ部門第2(最高位)。 ピアニストのイーヴォ・ポゴレリチ氏が審査員長を務める第4回マンハッタン国際音楽コンクールにて、特別金賞を受賞。
ソリストとして、東響、東フィル、新日本フィル、群響、大響、広響と共演を重ねる。
広島大学附属高等学校卒業。東京藝術大学音楽学部をアカンサス音楽賞、藝大クラヴィーア賞、同声会賞を受賞し卒業。
令和2年度文化庁新進芸術家海外研修員として、ザルツブルク・モーツァルテウム大学修士課程を満場一致の最高点で首席卒業後、同大学ポストグラデュエート課程修了。
現在、東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、愛知県立芸術大学ピアノコースにて非常勤講師を務める。

Official website: https://www.yukiosakipianist.com

大崎 由貴さんSNS
Instagram: 
https://www.instagram.com/yukiosaki_/
X(Twitter): 
https://twitter.com/piyoyuki_

 

【次回開催のリーク情報!】

ここだけの話ですが…

タスカムピアノコンサート録音会 vol.3 は、2025126日(土)開催予定

詳細は後日発表しますので、ぜひスケジュールを空けておいてください。




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