音楽イベントにおけるPAスピーカーの選定

 

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音楽イベントにおけるPAスピーカーの選定

15インチが熱い!~

 

学園祭や地域の催しもので、音楽イベントをやりたい!でも、どんなスピーカーや機材を選べばよいのか分からない。スピーカーもミキサーもマイクもセットになってすごく安いPAセットがあるけど、果たしてこれで事足りるのだろうか…?

担当者圧倒的おススメのPAセット『dBTechnologies OPERA 15セット』のご紹介を交えながら、機材選定の方法をご紹介します。ご参考にして頂ければ幸いです。


 

     ポイント1…どんな会場でやるのか

まず、あなたが考えているライブがセルフPAで賄える程度のものなのかを見極めましょう。ライブをする会場は決まっていますか?例えば空き教室の1室、体育館、地域の広場、etc…状況は様々だと思います。

重要なのは会場の大きさよりも、お客さんがいる面積です。

体育館など大きな会場だと、なんだか大層なシステムが無いといけない気がしてきますが、セルフPAでも賄える可能性はあります。


1、図2をご覧ください。赤くなっている範囲はスピーカーからの直接音が聞こえる範囲です。(※図はあくまでイメージなので実際はスピーカーによってカバーエリアは異なり、会場の反響成分によっても気持ちのいい音が届く範囲は異なります。)

つまり、例えば体育館のように大きな会場で、満員のお客さんに良い音を届けようと思ったらセルフPAでは難しい部分があるでしょう。ただし、ステージを狭くしてお客さんを前側の中央に集めれば状況は変わってきます。dBTechnologies OPERA 15の水平指向角(横方向の音の広がり)100°あるのでその範囲内にお客さんが収まるように設置すると良いです。ちなみに100°の指向角というのはかなり広い方なので、設置位置はそこまでシビアになる必要がなく、初心者PAでも扱いやすいのが特徴です。

 


     ポイント2…理論値を知っておく

先述した図の赤いエリアは、実際耳で聞いて判断するのがベストです。

とはいえ、ある程度の予測が立たないと何を買えばいいのか分からないと思うので理論値についてお話します。

今回ご紹介する、dBTechnologies OPERA 15というスピーカーは左右両側に1台ずつ設置してステレオ出力させる2Wayの一般的なポイントソース(点音源)スピーカーで、最大音圧レベルは130dBです。

個人差がありますが、表1の通り、人間が聞くに耐えられる最大音圧は約120dBくらいと言われています。

      表1

 

言い換えると、dBTechnologies OPERA 15は苦痛を感じる限界の音圧まで出力させることが出来る、とも言えます。

能率が高い方が大きな音をクリアに出力できる傾向がありますので、最大音圧レベルは目安としては重要です。ただし、このスペックに記される最大音圧レベルとは、スピーカーから1mの距離として算出される最大値です。スピーカーとしての限界に近い能率の値ですので実用的な値では無いという事を理解しておく必要があります。

 

では、その大きな音はどのくらいの距離まで届くのでしょう。

音は距離を経る毎に減衰するわけですが、点音源での距離と音圧の関係では、距離が2倍になるにつれ音圧は6dB減衰します。

  表2 

例えば、体育館で音楽イベントを行うとしましょう。一般的な体育館はバスケットコート+αぐらいだと思うので体育館の長辺は30m程と想定します。奥行き30mということは、最前列(1m)100dBの音圧を得られたとしても最後方では約30dB減衰して70dB程になってしまいます。70dBということはちょっと大きな声で喋れちゃう程度の音圧です。最後方でも100dBという十分な音圧を得るために30dB上げると最前列では130dBという苦痛を感じる限界値で拡声しなければなりません。セルフPAで体育館全体のカバーエリアを網羅するのはちょっと現実的ではありません。

このように考えると、セルフPAではステージから10m以内にお客さんを集めてコンサートを行うのが良いのではないでしょうか。カバーエリアと音圧感を適正に判断し機材選定を行う事が重要です。

 


     ポイント3…スピーカーからなんの音を出したいか

もしあなたがバンドマンなのだとしたら、リハーサルスタジオで使うPAスピーカーから音を出すのはボーカルとキーボードくらいではないでしょうか。

今あなたが考えているライブが小さい教室に楽器を持ち込んで行うものなのであれば、リハーサルスタジオと同じ要領で、生音では他の楽器に埋もれてしまうもの(ボーカル/アコースティックギター/キーボード等)だけPAスピーカーから出し、ドラムやギターアンプの音は生音を聞かせれば良いでしょう。そしてその場合のスピーカーは10インチからせいぜい12インチのもので足りるはずです。

ただし、これではライブハウスで聞くような迫力のある音にはなりません。そうするためには生音は大切にしながらも、ドラムやベース、ギターの音をPAスピーカーから出してあげる必要があり、こんな感じのシステムが必要になってくるわけですが…


 

 

 

 

 

 

…さすがにそれは無理! 


じゃあ、迫力のあるカッコいいライブをするのは諦めなくちゃいけないのか、というとそんなことはありません。

そう、ここでお勧めしたいのが15インチのポイントソーススピーカーなのです!


 

     ポイント4…バスドラムを気持ちよく鳴らせるか


セルフPAのコツは、「生音+欲しい音をちょい足し」です。

まず大前提として、ドラムの生音、ギター/ベースアンプの音量、そしてPAスピーカーから出るキーボードやボーカルの音、このバランスがきっちりとれていて、アンサンブルとして完結していることが重要です。

その上でプラスしたいのがバスドラムのアタックです。

バスドラムの「ドッ ドッ」という低音は耳だけでなく体全体に響いてきます。そこをPAスピーカーから出してあげることでバンドの迫力がグッと上がります。

そしてその「ロー(低域)感」を出すうえで有利なのが15インチのスピーカーなのです。


3のように一般的な2-Wayタイプのポイントソーススピーカーはウーハーとツイーターに分かれています。それぞれには役割分担があり、ウーハーからは低い音を、ツイーターからは高い音を出します。つまり、スピーカーユニットの口径が大きい方が低い音を出すうえで優位になります。さらに、ウーハーが大きくなる=キャビネット(筐体)自体が大きくなるので、スピーカー全体でふくよかな鳴りを響かせてくれます。結果として最大音圧レベルも上がり、低音だけでなく全体域において出音に余裕感が生まれますので、バスドラム以外の音も良く鳴り、小さいスピーカーよりも良い結果へ繋がります。(サイズが大きいスピーカーの方が対応するアンプの出力が大きい傾向もあります)

12インチと15インチの低音の迫力の差というのは歴然です!

 


【まとめ】

小さめの部屋でボーカルやキーボードだけ出すのであれば10インチや12インチという選択になり、セルフPAでも迫力あるカッコいい音を出したいのであれば15インチという選択になるでしょう。

ライブハウスなどプロの現場だと『サブウーハー』という超低音(音程をほぼ感じないとても低い周波数帯)だけを出すスピーカーを設置するくらいなので、ライブにおける体で感じる低音というものがいかに重要か分かります。

また、OPERAシリーズの様なパワード(アンプ内蔵)スピーカーは別途アンプを用意する必要が無いため、手軽に良い音でセルフPAを楽しめる点もお勧めです。




 実 践 例


 

dBTechnologiesPAスピーカーOPERA 15TASCAMのミキサーModel 24を組み合わせたPAセットでセルフPAを行う想定をしてみましょう。


まずはPAスピーカーが無くても完結するようにギターアンプやベースアンプ自体の音量を決めていきます。

次にボーカルやキーボードといったPAスピーカーからしか出ない音を出していきます。ここが一番重要で、ボーカルの音量によってその後ミキサーで調整していく楽器類の音量が決まるとも言えます。楽器類の音が大きすぎてボーカルが聞こえないのが最悪なパターンです。楽器の生音と、PAスピーカーから出せるボーカルの音量のバランスを見て、その他楽器の音を足ししていく、というのを忘れないでください!

次にドラムを足していきましょう。ドラムにはバスドラムとスネアにマイクを立てることでアタックが際立ち、ビートにメリハリが生まれます。スネアにはリバーブをかけてあげることでよりドラマチックな音を作り出すこともできます。本当はタムやオーバーヘッド(ドラムの上に設置する2本のマイク)にもマイクを設置するのが良いのですが、ここはセルフPAです。まずはこのくらいから始めていき、うまくいったらマイクを足していってみるのはいかがでしょうか。

 

ベースの音はD/I(ダイレクトボックス)というものを使ってベースアンプに入れる音とPAミキサーに入れる音を分岐させるのが基本です。ボーカルとのバランスをとり、バスドラムの音の邪魔にならないようにPAスピーカーからベースの音を出してあげましょう。

この際1点注意なのが、ミキサーにはマイクインとラインインがある事です。D/Iから出る音はラインレベルなので、ミキサーのラインインに繋げる必要があり、Model 24やその他同じくらいのサイズのアナログミキサーだとラインインはフォン端子で受ける事が多いです。

その反面D/Iからの出力はXLRケーブルから送られる場合がほとんどなので、「ケーブルが同じだからいいや!」といってミキサーのマイクインに接続しないようにしましょう。そうするとやたらと大きくてノイジーな音が出てしまします。

XLRプラグをTRS(フォン)に変換するアダプターなどが売っているのでそれを使うなどしてラインインに入れるようにしてください。




最後にギターです。ギターアンプにマイクを立ててミキサーに繋ぎます。ボーカルやベースとのバランスを見て、余裕があればPAスピーカーから出していきましょう。小さい会場のセルフPAの場合はアンプから出る音だけで案外十分な場合がありますので、バランスを聞きながら調整して下さい。

 

セルフPAの音作りの1例をご紹介しました。実際に機材を触り、音を聞きながらセルフPAを行う事でバンドアンサンブルなどをより深く学ぶチャンスになります。

また、音響機材を学ぶ事は電気の仕組みを学ぶことに等しく、音楽だけにとどまらず多くの見聞を広げてくれます。

是非ともOPERA 15セットでセルフPAをお楽しみ下さい!

 


dBTechnologies(ディービーテクノロジーズ)について

dBTechnologies(1990)は、イタリア・ボローニャに本拠を持つAEB Industriale社(1974)のPA/SRスピーカーブランドです。

クレスペラーノ(ボローニャ)に構えるAEB Industriale本社の総面積は10,000平方メートルを超え、dBTechnologies製品のハードウェアとソフトウェアの設計・開発・テストや、各国の基準に応じた認証検査を自社で賄えるだけの設備が置かれており、長年にわたり研究開発、設計、製造へ多くの力を注いできました。ディテールやデザインに重点を置いたアクティブスピーカーやデジタルアンプテクノロジーで業界をリード。その画期的な技術力で高い評価を得ています。

2019年時点、世界160カ国以上のPA/SR会社、固定設備施工会社、サウンドデザイナー、ミュージシャンへ高品質のサウンドパフォーマンスとMade in Italyデザインの音響機器を提供しています。

2016年の国内参入時よりティアック株式会社が正規輸入代理店業務を開始。その翌年にはAEB Industriale社がイタリアの代理店としてTASCAM製品の取り扱いを開始。両ブランド相互のパートナーシップの元、国内においてはPA/SRスピーカーラインナップの追加により、TASCAMブランドで展開する業務音響ソリューションを拡充するとともに幅広いシステムの提供を目指しております。


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