鉄道録音体験報告 復活 急行南会津号350 型と行く ~ティアックレコーディングクラブ 活動報告~

歴史的な走行音を残せ

2021年10月24日、現役引退が近い350型車両の走行音の収録のため、浅草駅に向かう。
この日はクラブツーリズム主催の「南会津号」復活ツアーだ。多くの鉄道ファンが集まっている。なんともありがたい機会に同行させていただいている。なんとしても結果を残さなければ…。

350型はかつて特急列車で活躍した名車両とのことだ。新しい車両が導入されて持ち場が変わっていったようだが、会社勤めの我々にもよく似ている。バリバリの若手に担当を変わっていくようなものだ。さまざまな場面で活躍し最後の晴れ舞台といったところか。

車両は時代の進化とともに、走行音が静かになり、乗り心地もよくなってきている。旅の道中は快適な方がよいが、今となっては、うなるモーター音や車両のきしむ音は貴重なものだという。

鉄道ファンにはいろいろな種類があるけれど、やはりこれを見逃さない人もいる。我々の録音機がお役に立てるとは本当にありがたい。


準備するもの
  • レコーダー 『DR-05X』 3台:車両連結部用、車両後部外用、床狙い用
  • ウインドスクリーン 『WS-11』 3個: それぞれのレコーダーに装着
  • ショットガンマイクレコーダー 『DR-10SG』 2台: 車内アナウンス用、反射音用
  • ショックマウント(BOYA / BY-C10)、クリップなどアクセサリー類

下りが胆

東武鉄道K氏によると「下りが胆」とのことだ。浅草を出発して会津田島へ向う電車はひたすら上っていくという。このモーター音のうなりをしっかり残してほしいとの依頼だ。

先に経験したSL大樹の車内録音の手法を活かし、複数のレコーダーで収録に挑むことにする。
おなじみのDR-05X、3台にショットガンマイクレコーダーDR-10SG 2台の合計5両編成で録音に挑む。
我々の座席はモハ車に用意され、ちょうどモーター音が聞こえる。
東武さんのお膳立てはバッチリだ。早速、下向きにDR-05Xを設置、前方のクハ車との連結部分にさらに1台を設置、臨場感の補完にしたい。
もう一台は最終車両乗降口付近に外側を狙って設置、外の踏切音などを録りたい。





ショットガンマイクレコーダーDR-10SGは車内アナウンス用にスピーカーの直下に設置。
もう一台はその反対側で反射音を録る。




浅草で乗り込み、まずは、すべてのレコーダーの設置位置を確認、それからすべてのレコーダーの録音を開始させ、まずは手拍子、一発。ここから各所の設置にかかる。
手拍子はカチンコの役目、コンピュータソフトで編集する際の頭合わせの役割だ。要所要所のアナウンスで調整は必要になるが、頭合わせは重要なポイントとなる。

ガサゴソ設置をしている間にあっいう間に北千住。ここからひたすら、終点まで待つ。居眠りは禁物だ。

若干涼しくなる様子、時折モーター音うなりに気づく、鹿沼を超えてからが盛り上がるとは聞いていたが、それがこれだな…。関東平野を駆け上がるといった感じだ。このような感覚で電車に乗ったことがない。
SL大樹の時も上りでは黒い煙を吐き、ファンを魅了していたが、それと同じだ。何につけても上っていく様は良いということだな…。

やがてなじみのある下今市駅に到着し、新高徳駅でSL大樹と交換する。いよいよ鬼怒川温泉駅を超える。だんだん冷えてきたな。

モーターの唸りが知らないうちに大きくなっていて、車両も時折ギシギシ上下に揺れる。

野岩鉄道に入り、湯西川温泉駅を通過、トンネルのなかに駅があるとは驚きだ。この駅の通過音も面白そうだ。野岩鉄道では車内販売でキャラクターグッズの販売も行われる。


会津鉄道に入り、車両の揺れは大きくなりクライマックスに向かっていくようだ。最近経験していない上下の揺れは感動ものだ。

車内では復路に備えたアナウンスが流れる。帰りは、モハ車とクハ車の座席を交替するという。これは常識なのかもしれないが、なんとも徹底した配慮だ。運営側の鉄道愛がうかがわれる。

少々長旅で疲れたが、会津田島には、地酒の自動販売機が名物とのことだ、駅前のそば屋もおすすめと紹介された。行ってみよう。



・音源紹介

急行南会津号350型と行く
  • vol.1 - 北千住〜(東武鉄道)      1320円(税込)
  • vol.2 - 栃木通過〜(東武鉄道)     1320円(税込)
  • vol.3 - 新高徳運転停車〜(東武鉄道)    660円(税込)
  • vol.4 - 新藤原駅停車〜(野岩鉄道)   1320円(税込)
  • vol.5 - 会津高原尾瀬口発車〜(会津鉄道)  660円(税込)

すべて24bit/48kHzのハイレゾ音源となっています。
ぜひ、ヘッドホンでお楽しみください。












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